家の売却査定成功!の秘訣と注意点
監修者
山内康司
TikTokにて、不動産売却・購入について配信中。
不動歴10年以上。元警察官。

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【完全版】家の売却査定で損しない!高額査定を引き出す秘訣と注意点
「そろそろ家を売りたいけど、まずは何から?」「うちの家、いくらになるんだろう?」
家の売却を考え始めた時、誰もが最初に通る道、それが「不動産査定」です。でも、この査定、実は不動産会社によって言うことが全然ちがうことも…。場合によっては、数百万円もの差がつくことだってあるんです。
この記事では、家の売却査定で「損をした!」と後悔しないために、査定の基本から、しっかり準備しておくべきこと、そして少しでも有利な査定額を引き出すための「秘訣」まで、プロの視点から徹底的に解説します。これを読めば、査定の不安が解消され、自信を持って売却活動の第一歩を踏み出せるはず! あなたの不動産売却を成功へと導くための情報が満載です。
家の売却査定とは?損しないための基礎知識

そもそも「査定」って何? なぜ会社によって金額が違うの? まずは基本のキから押さえておきましょう。
査定の種類:「机の上」と「現地訪問」の違い
家の売却査定には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴と使い分けを知っておくのが最初のポイントです。
| 査定の種類 | 主な特徴 | メリット | デメリット | どんな時に使う? |
|---|---|---|---|---|
| 簡易査定 (机上査定) |
・物件情報(住所、広さ、築年数など)と周辺相場データだけで算出。 ・実際に家は見ない。 |
・ネットなどで手軽に依頼できる。 ・早く結果が出る(数時間〜1日程度)。 ・大まかな相場観を掴める。 |
・あくまで概算。 ・家の状態(傷み、リフォーム歴など)が反映されないため、実際の価格とズレが大きいことも。 |
・売却を検討し始めた初期段階。 ・まずはざっくりいくら位か知りたい時。 ・複数社に依頼して比較検討する第一歩として。 |
| 訪問査定 (現地査定) |
・不動産会社の担当者が実際に家を訪問。 ・室内の状態、日当たり、眺望、周辺環境などを細かくチェックして算出。 |
・より正確な査定額が期待できる。 ・家の良い点(リフォーム箇所など)を直接アピールできる。 ・担当者の人柄や知識を直接見極められる。 |
・日程調整が必要で、時間がかかる(査定自体は30分〜1時間程度)。 ・家の中を見られることに抵抗がある人も。 |
・具体的に売却を進めたい時。 ・本格的な売出価格を決めたい時。 ・売却を依頼する会社を絞り込む時。 |
まずは気軽に「簡易査定」で相場観をつかみ、売却の意思が固まってきたら「訪問査定」でよりリアルな価格を知る、という流れが一般的です。どちらの査定も、多くの場合無料で依頼できます。
査定額は何で決まる? プロが見ているポイント
「うちの家、どこをどう評価されてるんだろう?」 気になりますよね。不動産会社が査定額を出す際にチェックしている主なポイントは、大きく分けて以下の要素です。
- 立地条件(最重要!):駅からの距離、周辺の商業施設(スーパー、コンビニ)、学校や病院へのアクセス、治安、騒音・臭気などの有無。
- 建物自体の状態:築年数、建物の構造(木造、鉄筋コンクリートなど)、耐震性、間取り、広さ、日当たり、風通し、眺望、設備の状況(キッチン、浴室など)、傷みや汚れの程度、リフォーム履歴。
- 土地の条件(一戸建ての場合):土地の広さ、形状(整形地か不整形地か)、道路との接道状況(幅、方角)、駐車スペースの有無。
- マンション特有の要素:階数(一般的に上層階ほど高い)、方角(南向きが人気)、管理状況(管理費・修繕積立金の額、管理会社の評判)、共用施設の充実度。
- 法的規制:建ぺい率・容積率、用途地域など、法律で定められた制限。
- 市場動向:周辺エリアの類似物件の最近の取引価格(成約事例)、売り出し中の物件の動向、景気や金利の状況。
これらの要素を、不動産会社が持つデータや経験に基づいて総合的に判断し、「これくらいの価格なら、これくらいの期間で売れるだろう」という査定額(=売却予想価格)を算出するわけです。
査定をスムーズに進めるための「事前準備リスト」
訪問査定を依頼する際には、事前に以下の書類や情報を準備しておくと、査定がスムーズに進み、より正確な評価につながります。
| 準備するもの | なぜ必要? / どこで手に入る? |
|---|---|
| 権利証 or 登記識別情報通知書 | 所有者本人であることの確認。(紛失していても査定は可能ですが、売却時には再発行等の手続きが必要) |
| 登記事項証明書(登記簿謄本) | 土地・建物の正確な面積、所有者、抵当権の有無などを確認。(法務局で取得可。不動産会社が用意してくれることも) |
| 固定資産税・都市計画税 納税通知書 | 毎年の税額の確認。評価額の参考にも。(毎年春頃に市区町村から送付) |
| 物件購入時の資料 (売買契約書、重要事項説明書、パンフレットなど) |
購入価格(取得費)の確認、物件の詳細情報の把握。(紛失している場合もあるが、あればベター) |
| 図面 (間取り図、測量図、建築確認済証・検査済証など) |
正確な広さや建物の仕様を確認。(購入時の書類に含まれていることが多い) |
| (ローン残債がある場合)ローン残高証明書 or 返済予定表 | 売却価格でローンを完済できるかの判断材料。(借入先の金融機関に依頼) |
| (マンションの場合)管理規約、使用細則、長期修繕計画書など | マンションのルールや管理状況を確認。(管理組合や管理会社から入手) |
| リフォーム履歴(もしあれば) | いつ、どこを、いくらでリフォームしたかの記録。査定額アップの材料になることも。 |
※すべての書類が必須ではありません。「用意できる範囲で」で大丈夫です。不明な点は不動産会社に相談しましょう。
また、家の「良いところ(アピールポイント)」だけでなく、「気になっているところ(修繕が必要な箇所など)」も正直に伝えておくことが、後々のトラブルを防ぐ上で大切です。
高額査定を引き出すための【秘訣】

さて、ここからは本題。どうすれば少しでも「高く」査定してもらえるのでしょうか? いくつかの重要な「秘訣」があります。
【秘訣】複数社への査定依頼は「交渉の武器」
高額査定を引き出すための絶対条件、それは「複数の不動産会社に査定を依頼する」ことです。これは単に相場を知るためだけではありません。
複数の査定額が手元にあれば、それを材料に不動産会社と「交渉」することができます。「A社さんは〇〇円という査定でしたが、御社ではもう少し頑張れませんか?」といった具合です。不動産会社も、他社に契約を取られたくないため、真剣に検討してくれる可能性が高まります。
また、査定額に大きな差が出た場合、「なぜそんなに違うのか?」を各社に尋ねることで、その会社の査定の「クセ」や「強み」が見えてきます。例えば、特定のエリアに強い会社、リフォーム提案が得意な会社など、会社ごとの特色を知ることは、最終的に高く売るための戦略を立てる上で非常に役立ちます。
ただし、注意点も。一部の会社は、契約を取りたいがために、相場からかけ離れた「異常に高い査定額」を提示してくることがあります(これを「高預かり」と言います)。その金額で売りに出しても結局売れず、後から大幅な値下げを迫られる…という最悪のパターンに陥ることも。だからこそ、次の「根拠の確認」が重要になるのです。
【秘訣】査定額の「根拠」を徹底的に聞く
複数の査定結果が出揃ったら、金額だけを見るのではなく、「なぜ、その査定額になったのか?」という根拠を、各社の担当者にしつこいぐらいに確認しましょう。
「どういうデータ(成約事例など)を参考にしたのか?」
「うちの家のプラス評価ポイント、マイナス評価ポイントは具体的にどこか?」
「その査定額で、どれくらいの期間で売れると想定しているか?」
これらの質問に、明確なデータや論理的な説明で答えてくれる担当者は、信頼できる可能性が高いです。逆に、根拠が曖昧だったり、「とにかく高く売れますよ!」と自信過剰だったりする担当者は要注意。
査定額の「納得感」は、その後の売却活動を安心して任せられるかどうかの大きな判断材料になります。
【秘訣】信頼できる「パートナー」としての不動産会社を見極める
高額査定はもちろん嬉しいですが、最終的に大切なのは「査定額=売却価格」ではない、ということです。査定額はあくまで「売却予想価格」。実際にその価格で売れるかどうかは、その後の不動産会社の「販売力」や「戦略」にかかっています。
だからこそ、査定のプロセスを通じて、「この会社(担当者)は、本当に自分のために一生懸命動いてくれそうか?」という視点で、信頼できるパートナーを見極めることが何より重要です。
チェックしたいポイントは…
- 実績:そのエリアでの売却実績は豊富か?
- 提案力:どんな販売戦略(広告方法、価格設定など)を提案してくれるか?
- コミュニケーション能力:こちらの話をしっかり聞き、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるか? レスポンスは早いか?
- 誠実さ:メリットだけでなく、デメリットやリスクについても正直に話してくれるか?
査定額の高さだけでなく、こうした「信頼感」も含めて、総合的に判断しましょう。
私たちリブネクストが、お客様の不動産売却においてどのようなサポートをさせていただいているか、「リブネクストが不動産売却で選ばれている理由」のページで詳しくご紹介しています。パートナー選びのご参考に、ぜひご覧ください。
【秘訣】家の「第一印象」を良くする努力を惜しまない
訪問査定の際、担当者は家の状態を細かくチェックします。ここで少しでも良い印象を持ってもらうことが、査定額アップにつながる可能性があります。
高額なリフォームまでする必要はありませんが、少なくとも「掃除」と「整理整頓」は徹底しましょう。特に、
- 玄関(靴を片付け、たたきをキレイに)
- 水回り(カビ、水垢、油汚れを落とす)
- リビング(床にモノを置かず、広く見せる)
といった場所は、担当者も(そして将来の買い手も)よく見るポイントです。清潔感があるだけで、「大切に使われている家だな」という印象を与え、プラス評価につながりやすくなります。
また、壁のちょっとした傷や剥がれなど、自分で簡単に補修できる箇所があれば、直しておくのも良いでしょう。庭があれば、雑草を抜いておくひと手間も大切です。
【秘訣】家の「アピールポイント」をしっかり伝える
査定担当者はプロですが、その家に住んでいるあなたにしか分からない「魅力」もあるはずです。査定の際には、遠慮せずにアピールしましょう。
- 「この部屋は南向きで、冬でも暖房がいらないくらい暖かいんです」
- 「キッチンは〇年前にリフォームして、食洗機も付けました」
- 「窓からの景色が気に入っていて…」
- 「ご近所付き合いが良くて、とても静かで住みやすいですよ」
- 「断熱性を高める工事をしました」
こうした具体的な情報は、査定額にプラスの影響を与える可能性があります。リフォーム履歴などは、証明できる書類(契約書や領収書)があれば、さらに説得力が増します。
査定後の流れ:売却活動を成功させるために
納得のいく査定結果と信頼できる不動産会社が見つかったら、いよいよ本格的な売却活動が始まります。査定後の流れも簡単に確認しておきましょう。

媒介契約を結ぶ:どのタイプを選ぶ?
前述の通り、不動産会社と正式に「媒介契約」を結びます。「一般」「専任」「専属専任」の3種類から、ご自身の状況や不動産会社との信頼関係に基づいて選びましょう。(詳しくは上記の表をご参照ください)
販売活動の開始:広告と内覧対応
不動産会社が広告活動を開始します。物件の写真撮影に協力したり、内覧希望が入れば日程調整をしたりします。内覧時の印象アップは、査定時以上に重要です。常に家をキレイに保つ努力が求められます。
購入申し込みと条件交渉
購入希望者から「購入申込書」が提出されたら、価格や引き渡し時期などの条件交渉に入ります。不動産会社と相談しながら、納得のいく条件で合意を目指しましょう。
売買契約の締結
条件がまとまれば、重要事項説明を経て、売買契約を締結します。契約内容をしっかり確認し、不明点は残さないようにしましょう。
決済・引き渡し
契約で定めた日に、残代金の受領と物件(鍵)の引き渡しを行います。同時に所有権移転登記などの手続きも行います。
(売却全体の流れや各ステップの詳細は、別記事で詳しく解説しています。)
忘れてはいけない!売却後の費用と税金
査定額=手取り額ではありません。売却には費用がかかりますし、利益が出れば税金も納める必要があります。

仲介手数料などの「諸費用」
売却時にかかる主な費用には、不動産会社への仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税が上限)、契約書の印紙税、ローンの抵当権抹消などにかかる登記費用(司法書士報酬含む)などがあります。これらの費用がいくらかかるのか、査定の段階で概算を確認しておきましょう。
利益が出たら「譲渡所得税」
家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税がかかります。税率は家の所有期間によって大きく異なり、5年以下(短期譲渡)だと約39%、5年超(長期譲渡)だと約20%です。
ただし、マイホームの売却には「3,000万円特別控除」など、税負担を大幅に軽減できる特例がたくさんあります。使える特例は最大限活用したいところ。税金の計算は複雑なので、税理士に相談するのが最も確実です。
忘れずに!「確定申告」
売却して利益が出た場合や、税金の特例を使う場合は、売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。忘れると特例が使えなくなったり、ペナルティが課されたりすることもあるので注意しましょう。
まとめ:家の売却査定を成功させるために
家の売却査定は、単に「いくらで売れるか」を知るだけでなく、信頼できるパートナー(不動産会社)を見つけ、最適な売却戦略を立てるための重要な第一歩です。
今回ご紹介した「秘訣」を参考に、
- 事前の情報収集と準備をしっかり行い、
- 複数の会社に査定を依頼して比較検討し、
- 査定額の「根拠」に納得できる、信頼できるパートナーを見つけ、
- 家の魅力を最大限に引き出す努力をする。
これらを実践することで、きっとあなたの家は適正な、そして納得のいく価格で評価されるはずです。
不動産売却は大きな決断ですが、正しい知識と準備があれば、決して難しいものではありません。この記事が、あなたの成功への一助となれば幸いです。







