家を高く売るための完全ガイド:今すぐできる9つの秘訣
監修者
山内康司
TikTokにて、不動産売却・購入について配信中。
不動歴10年以上。元警察官。

Contents
家を高く売るための完全ガイド:プロが教える【9つの秘訣】
「そろそろ家を売りたいけど、どうせなら少しでも高く売りたい…でも、何から手をつければいいの?」
そんな風に悩んでいませんか? 大切な資産である家だからこそ、納得のいく価格で、気持ちよく手放したいですよね。
この記事では、不動産売却のプロの視点から、あなたの家を最大限に評価してもらい、スムーズに、そして「高く」売却するための【9つの秘訣】を、基礎知識から具体的なテクニックまで、わかりやすく解説します。相場調査のコツ、不動産会社との付き合い方、内覧対策、税金のことまで、これさえ読めば「高く売る」ためのポイントが丸わかり! 一緒に成功への戦略を練っていきましょう。
家の売却を成功させるための基礎知識

具体的な「秘訣」に入る前に、まずは家を売る上での基本的な知識を整理しておきましょう。全体像を知っておくことが、冷静な判断につながります。
【秘訣1】自分に合った「売り方」を知ることから始めよう
家を売る方法は、大きく分けて3つあります。それぞれに良い点・気になる点があるので、ご自身の状況(「いつまでに売りたいか」「いくらで売りたいか」など)に合わせて、どの方法が一番合っているかを考えるのが最初のステップです。
| 売却方法 | 特徴 | メリット | デメリット | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|
| 仲介 | 不動産会社に買い手を探してもらう、最も一般的な方法。 | ・市場価格に近い、比較的高値で売れる可能性。 ・広く買い手を探せる。 |
・売れるまでに時間がかかることも。 ・内覧対応など、売主の協力が必要。 |
・少しでも高く売りたい。 ・売却期間に余裕がある。 |
| 買取 | 不動産会社自身に直接買い取ってもらう方法。 | ・すぐに現金化できる。 ・内覧不要など、手間がかからない。 ・近所に知られにくい。 |
・仲介より価格はかなり安くなる(市場価格の6〜8割程度が目安)。 | ・とにかく早く売りたい。 ・手間をかけたくない。 ・相続などで遠方の家を売りたい。 |
| 個人間売買 | 不動産会社を通さず、知人や親戚などと直接取引する方法。 | ・仲介手数料がかからない。 | ・契約書作成や登記手続きなど、すべて自分たちで行う必要があり、専門知識が不可欠。 ・トラブルが起きやすい。 |
・買主が決まっていて、かつ不動産取引の知識がある場合(※あまり推奨されない)。 |
多くの場合、「仲介」か「買取」のどちらかを選ぶことになるでしょう。「高く売りたい」なら仲介、「早く確実に売りたい」なら買取、というのが基本的な考え方です。
どれくらいかかる? 売却期間と費用の目安
家の売却には、思った以上に時間とお金がかかるものです。慌てないためにも、目安を知っておきましょう。
【期間の目安】
- 準備期間(査定、会社選び、媒介契約など):約1ヶ月〜
- 販売活動期間(広告、内覧、交渉など):約3ヶ月〜6ヶ月(※物件や市況により大きく変動)
- 売買契約〜決済・引き渡し:約1ヶ月〜2ヶ月
トータルで見ると、売却を決意してから実際に現金を手にするまで、スムーズにいっても半年程度は見ておいた方が良いでしょう。すぐに売れるとは限らない、という心構えが大切です。
【費用の目安】
売却時には、売れたお金から様々な費用が差し引かれます。「売却価格=手取り額」ではないことに注意が必要です。
| 主な費用 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬。(仲介の場合) | (売却価格の3% + 6万円) + 消費税 が上限 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙代。 | 売却価格に応じて数千円〜数万円 |
| 登記費用 | (ローンが残っている場合)抵当権抹消登記の費用。(住所変更が必要な場合)住所変更登記の費用。司法書士への報酬含む。 | 数万円〜十数万円程度 |
| (必要な場合)ハウスクリーニング代 | 専門業者による清掃費用。 | 数万円〜十数万円程度 |
| (必要な場合)測量費用 | 土地の境界を確定させるための費用。(主に一戸建て) | 数十万円程度 |
| (必要な場合)解体費用 | 古家付き土地として売る場合など。 | 百万円単位になることも |
| 引越し費用 | 当然ながら、引っ越しの実費。 | 荷物量や距離による |
これらの費用が「いくらかかるか」は、売却活動を始める前に不動産会社に概算を出してもらい、しっかり資金計画に組み込んでおきましょう。
不動産会社との約束事:媒介契約の種類と選び方
不動産会社に「仲介」を依頼する場合、正式に「媒介契約」を結びます。これには3つの種類があり、それぞれ「不動産会社との関わり方」が変わってきます。
| 契約種類 | 特徴 | どんな人向け? |
|---|---|---|
| 一般媒介契約 | ・複数社と契約OK。 ・自分で買い手を見つけてもOK。 ・不動産会社の報告義務は任意。 ・契約期間は法令上の定めなし(通常3ヶ月)。 |
・広く買い手を探したい。 ・人気物件で、すぐ売れそう。 ・自分で探すアテもある。 |
| 専任媒介契約 | ・契約は1社のみ。 ・自分で買い手を見つけてもOK。 ・不動産会社は2週間に1回以上の報告義務あり。 ・契約期間は最長3ヶ月。 |
・1社にしっかり売却活動してほしい。 ・自分で買い手を見つける可能性もある。 ・(迷ったらコレを選ぶ人が多い) |
| 専属専任媒介契約 | ・契約は1社のみ。 ・自分で買い手を見つけるのもNG。 ・不動産会社は1週間に1回以上の報告義務あり。 ・契約期間は最長3ヶ月。 |
・売却活動を完全にプロに任せたい。 ・とにかく早く売りたい。 ・(不動産会社が最も力を入れる契約) |
「一般」は窓口が広いですが、不動産会社のやる気が分散しがち。「専任」「専属専任」は1社に絞る分、その会社が責任を持って動いてくれます(報告義務もあります)。ご自身の状況や不動産会社との信頼関係で選びましょう。契約前には、細かい条件(手数料、期間、更新、解除など)をしっかり確認することが大切です。
家を高く売るための【9つの秘訣】徹底解説
お待たせしました! ここからは、あなたの家を少しでも高く、有利に売却するための具体的な「秘訣」を9つ、順にご紹介していきます。

【秘訣2】「相場」を知らずして高くは売れない
高く売るための第一歩は、まず「自分の家の価値(相場)を知る」ことです。相場を知らなければ、不動産会社が出してきた査定額が高いのか安いのかすら判断できません。
前述の通り、ネットの不動産サイトで類似物件の価格を調べたり、国土交通省の「土地総合情報システム」で実際の取引価格をチェックしたりすることから始めましょう。これにより、「だいたい、これくらいの価格帯かな?」という感覚を掴むことができます。
【秘訣3】パートナー選びは「複数査定」が大前提
相場観を掴んだら、いよいよ不動産会社に査定を依頼します。ここでの鉄則は、必ず複数の会社(最低3社)に査定を依頼すること。
査定額は会社によって本当にバラバラです。1社だけの査定額を鵜呑みにするのは非常に危険。「一番高い査定額=一番良い会社」とは限りませんが、比較することで「適正価格」が見えてきますし、各社の強み・弱みも見えてきます。
最近はネットで簡単に複数社へ一括査定を依頼できるサイトもありますが、多くの会社から一斉に連絡が来るため、対応が大変になることも。ご自身の情報(個人情報)の取り扱いにも注意が必要です。信頼できそうな会社を数社ピックアップして、個別に連絡を取るのも良い方法です。
【秘訣4】査定額の「根拠」を徹底的に聞く
複数の査定結果が出揃ったら、金額だけを見てはいけません。大切なのは、「なぜ、その査定額になったのか?」という根拠を、各社の担当者にしっかり聞くことです。
- どんな販売実績に基づいて計算したのか?
- 周辺の類似物件と比較して、どう評価したのか?
- あなたの家の「強み」と「弱み」をどう見ているか?
- その査定額で売るために、どんな販売戦略を考えているか?
これらの質問に、データに基づいて、納得のいく説明をしてくれる担当者は信頼できる可能性が高いです。逆に、根拠が曖昧だったり、「高く売れますよ!」と良いことばかり言う担当者には注意が必要かもしれません。査定額の根拠を聞くプロセスは、信頼できるパートナーを見極めるための重要なステップなのです。

【秘訣5】第一印象が勝負!「内覧」前の徹底準備
買い手が購入を決める最大の決め手となるのが「内覧(内見)」です。ここで「この家、いいな」と思ってもらえるかどうかで、売却価格もスピードも大きく変わってきます。
内覧で好印象を与えるための基本は、何といっても「掃除」と「整理整頓」。特に、
- 玄関:靴はすべて下駄箱へ。たたきを水拭きして清潔に。
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面所):カビ、水垢、油汚れは徹底的に落とす。
- リビング:床にモノを置かず、広く見せる。
- 収納:クローゼットや押し入れの中も整理し、「まだ余裕がある」状態に。
普段の掃除にプラスして、プロのハウスクリーニングを部分的に利用するのも効果的です。時間と労力はかかりますが、内覧前の準備は絶対に手を抜いてはいけないポイントです。
【秘訣6】五感を刺激する「空間演出」で魅力をアップ
掃除と整理整頓ができたら、さらに買い手の心をつかむ「演出」を加えましょう。
- 明るさ:内覧当日は、天候に関わらず家中の照明をすべてONに。カーテンも全開にして、自然光を最大限に取り込みましょう。明るい家は広く、ポジティブな印象を与えます。
- 換気:窓を開けて新鮮な空気を取り込み、こもったニオイをなくしましょう。特に、玄関を開けた瞬間の空気は大切です。
- ニオイ対策:ペットやタバコ、生活臭は自分では気づきにくいもの。無香料の消臭剤を使ったり、換気を徹底したりしましょう。(香りの強い芳香剤は逆効果になることも)
- ちょっとした飾り付け:玄関やリビングに季節の花を飾るだけでも、印象はぐっと良くなります。やりすぎない程度に、清潔感とセンスの良さを演出しましょう。
【秘訣7】我が家の「魅力」を言葉で伝える準備
内覧時に、ただ家を見せるだけでなく、売主様自身の言葉で「この家の良いところ」を伝えることも、買い手の心を動かすのに有効です。
- 家のセールスポイントは?:「陽当たりが良いリビング」「収納がたくさんある」「リフォームしたばかりのキッチン」など、自慢できる点を整理しておく。
- 周辺環境の魅力は?:「駅まで平坦で歩ける」「近くに大きな公園がある」「学区が良い」など、住んでみて実感した利便性や住みやすさを伝える。
- どんな暮らしができた?:「夏は風通しが良くて涼しい」「庭でBBQを楽しんだ」など、具体的なエピソードを交えると、買い手も生活をイメージしやすくなります。
ただし、アピールしすぎると押し付けがましくなるので、聞かれたら答える、くらいのスタンスが良いかもしれません。不動産会社の担当者と事前に「何を伝えるか」を打ち合わせておくのも良いでしょう。
【秘訣8】「売り時」を見極める市場を読む目
不動産には「売れやすい時期」があります。一般的には、新生活が始まる前の1月〜3月や、転勤シーズンの9月〜10月は、家を探す人が増えるため、売れやすく、価格交渉も有利に進めやすいと言われています。
また、金利が低い時期は買い手の購入意欲が高まりますし、大規模な再開発計画などが発表されれば、将来性を見込んで価格が上がることもあります。
こうした市場の「波」を読むことも、高く売るためには重要です。とはいえ、「売りたい時」が売主様にとってのベストタイミングであることも多いでしょう。市場の動向とご自身のスケジュールを天秤にかけ、不動産会社と相談しながら最適な「売り出し開始時期」を決めることが大切です。

【秘訣9】税金で損しない!控除・特例を賢く活用
家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所得税や住民税がかかります。しかし、一定の条件を満たせば、税金の負担を大幅に軽減できる「控除」や「特例」があります。これを知っているか知らないかで、手元に残るお金が何百万円も変わることも!
【主な控除・特例の例】
- 居住用財産の3,000万円特別控除:マイホームを売却した場合、利益から最大3,000万円まで控除できる。(※適用には条件あり)
- 所有期間10年超の居住用財産の軽減税率の特例:長く住んでいたマイホームを売る場合、税率が低くなる。(※3,000万円控除と併用可、条件あり)
- 特定の居住用財産の買換え・交換の特例:マイホームを買い換える場合に、税金の支払いを将来に繰り延べられる。(※3,000万円控除などとは選択適用、条件あり)
- 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除:相続した空き家を売る場合に、利益から最大3,000万円まで控除できる。(※条件が非常に細かい)
これらの特例は、自分で確定申告をしないと適用されません。「自分は使えるのかな?」「どうやって手続きするの?」と疑問に思ったら、必ず税理士や税務署に相談しましょう。税金の知識は、高く売ることと同じくらい重要です。
【確定申告に必要な主な書類】
| カテゴリー | 主な書類 |
|---|---|
| 取得関係(買った時) | ・購入時の売買契約書 ・購入時にかかった諸費用(仲介手数料、登記費用など)の領収書 |
| 売却関係(売った時) | ・売買契約書 ・売却時にかかった諸費用(仲介手数料、印紙代など)の領収書 ・固定資産税等の精算書 |
| その他 | ・譲渡所得の内訳書(申告書作成時に計算・記入) ・本人確認書類(マイナンバーカード等) ・(特例を使う場合)住民票、戸籍の附票など追加書類が必要な場合あり |
確定申告は売却した翌年の2月16日〜3月15日に行います。書類集めは早めに始めましょう。
まとめ:焦らず、でも着実に。高く売るための最終チェック
家を高く売るための9つの秘訣、いかがでしたか?
大切なのは、「情報収集」をしっかり行い、「信頼できるパートナー(不動産会社)」を見つけ、「物件の魅力」を最大限に引き出す努力をし、そして「タイミング」を見極めること。最後に、「税金」の知識も忘れずに。
不動産売却は、焦ると失敗しがちです。しかし、準備を怠るとチャンスを逃してしまいます。この記事でご紹介した秘訣を参考に、一つひとつ着実にステップを進めて、あなたの家が納得のいく価格で売却できるよう、心から応援しています。
不動産売却は、人生における大きなイベント。この記事が、あなたの成功の一助となれば幸いです。







